すみれの散歩道

心惹かれる宝塚や映画などについて綴ります

雪組『心中・恋の大和路』ディレイ配信と心中物の難しさ

チョコバッキー 配信のお供


通常、配信開始から30分後にお芝居が始まりますが、ディレイ配信はほぼ同時でした。
ちょっと慌てた。
そして幕間が5分、慌ただしい。


今回、画面に演者のお名前が入っていて嬉しい。
ディレイ配信だから?
前回の『夢千鳥』は購入期限を誤り観ること叶わず、比較できません。
今後は通常の配信もこれでお願いします。
特に新人公演は名前を売らないといけないと思うので、必要じゃないかな。


夢白さんがポスターよりも綺麗なメイクでほっとした。
あれはいくら何でも撮り直しが必要なレベルだと思う。
遊女には見えないし、夢白さんの美しさがちっとも出てなかった。
動いている夢白梅川は綺麗で愚かな梅川でした。





孫右衛門は梅川に女が誑かしたと言っていたが、そうでは無いでしょう。
もちろん最初は遊女とお客かもしれない。
でも梅川はそれほど賢そうには見えないし、田舎のお客と忠兵衛を天秤に掛ける気もなさそうだし、遊女にはもともと向かなかったかも。
でも遊女に向く女ってなんだ。

ふたりの恋が問題と言うよりも、忠兵衛自身のふわふわとした所在のなさ、野心の無さ、商いへの興味の無さ、それに加えて養子であることのプレッシャーもあるのかな、そっちの方が問題なのではと思った。


梅川が遊女に向かない遊女なら、忠兵衛は商人に向かない商人。
そのふたりが自らの境遇から逃れたいと思い、ちょっとした拍子に若気の至りから郭を出奔する、という位の方が現代の日本では受け入れられ安そう。


それか女性の梅川から見た「道行」を作った方がいいかも、でもそれじゃあ宝塚としては成立しないか。


演者の歌と台詞が良く、後半はロック調の音楽にのせてエンターテイメント性を強めに持ってきたので、それぞれの芸を楽しんで観ていました。


そら忠兵衛のあの甘え上手は誰に似たのでしょうか。
親父さんに似たとは思えないね。
八右衛門にお金を貸して貰う時のちょっと強気の甘え方がどうしようも無くダメ男で、冒頭で梅川に嫉妬する時の面倒くささもダメ男。
父孫右衛門と最後まで顔を合せず梅川に任せてしまう、辛さから逃げ出すのもダメ男。
そんなダメ男をどれだけ魅力的にみせられるかの勝負が今回の作品だったかも。




実は『オデッセイ』の時ホテルでスカイステージ『近松・恋の道行』を観ました。
植田景子作、愛音羽麗主演、ヒロインは実咲凜音、みりおんが綺麗、すごく綺麗。
お芝居の前半は全く観ず、後半だけを観ましたが、これが面白かった。
近松自身も出ており近松親子の葛藤、近松息子の恋物語、主人公の友人の裏切り、主人公の兄弟との関わりなど結構複雑だったけど、整理整頓されていて分かりやすく、見応えありました。
物陰に隠れていたみりおんに恋人の姉が、隠れていることが分かっていながら嫌みを言うんだけど、その後のみりおんの静かな啖呵というのか独白が良かった。
遊女の身を嘆いてそれでもあの人を好きな気持ちに偽りは無い、みたいな
覚えていないのが残念なくらい良い台詞だった。
こういうプライドがあったればこそ郭でも生きて行けたのではないだろうか。
あなたと私と何が違うのかという抗議も含めて。




亀屋忠兵衛      和希 そら
梅川         夢白 あや
丹波屋八右衛門    凪七 瑠海
孫右衛門       汝鳥 伶
宿衆・藤屋(古手買)  悠真 倫
妙閑        千風 カレン
番頭・伊兵衛/忠三郎 真那 春人
女将・お清      愛 すみれ
宿衆・丸十(傀儡師)  天月 翼
かもん太夫      妃華 ゆきの
手代・与平      諏訪 さき
遣手・おたつ     羽織 夕夏
女房・おかね     琴羽 りり
宿衆・伊勢屋(巡礼男 麻斗 海伶
宿衆・嶋屋(飴屋) 一禾 あお
宿衆・角屋(巡礼女)  真友月 れあ
宿衆・もず屋(節季候)壮海 はるま
女中・おまん     愛羽 あやね
遊女・鳴渡瀬     莉奈 くるみ
遊女・千代歳     愛陽 みち
若侍・甚内      蒼波 黎也
丁稚・庄介      紀城 ゆりや
幇間        希翠 那音
丁稚・三太      霧乃 あさと

天咲 礼愛
琴峰 紗あら
愛空 みなみ
希翠 那音
華純 沙那
瑞季 せれな
風立 にき

《専科》
汝鳥 伶
悠真 倫
凪七 瑠海

※8月10日(水)、日本青年館ホールにおける公演実施が可能となったため、追加公演を実施いたしました。






そらくんの、「皆様にたくさんの幸せが訪れますように」というご挨拶が好きです。
お読み頂きありがとうございました。
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