すみれの散歩道

心惹かれる宝塚や映画などについて綴ります

花組全国ツアー 恋する男たち

f:id:h_9073:20210915021104j:plain

柚香光 エリオ・サルバドール
花形闘牛士
こんなれいちゃんが見たかった!
最後の衣装着たれいちゃんがこの上もなく神々しい!

さて私にとって一番の疑問は、エバコルドバに来なければエリオはどうしていたか?
エリオは婚約を破棄しエバを奪いに行くのでしょうか?
たぶんNOですね
エリオはもうすでにエバのいない人生を受け入れています。
成功者として名声を手に入れてますがこれは2次的なこと。
エバがいなくなり自暴自棄になっていたら今の成功はありません。才能と努力と冷静な判断力でスペイン中に認められるマタドールとなりました。
「グラン・エリオ」
現状を受け入れて次の人生へと進める人です。
アンフェリータの恋ごころも優しく受入れたのではないでしょうか。
しかしそこに昔の恋人が現れます。
まずは自制心が働きます。
しかし口付けを交わし体温を感じ懐かしい薫りを嗅ぐことで蘇る思い出もあったはず。
またビセントと伯爵夫人の物語にもエバは影響されたのかも、私もあんな風に幸せになりたいと。
「私、来たわ」
エバにとっては生きるか死ぬかの決心。
そこで初めてエリオはエバのすべてを受け入れる覚悟ができます。
「僕たちは若い頃より強く愛し合っています」(ニュアンス)

れいちゃんエリオの人生は困難を乗り越えて来たというよりも、様々な困難を受け入れて来た人生の様に感じました。
では何故エリオは闘牛場で死んでしまったのか。
分かりません。
「最後に」と言う台詞があるので自殺を連想させますが、柴田さんが人間の死の理由をそんな解りやすく提示するのか、疑問です。

私は「魔が差した」んだと思いました。
「明後日が結婚式」なのでマドリードから計算しても大変短い間に色々な事が起こりました。真実を知り闘牛場へ行くまでの短い時間、日にち?ではいくらエリオでも母親たちの告白を受け入れる事は出来ません。
教会でエバに語る所は、最後の別れにも見えましたが、どちらの別れか分かりませんでした。

お芝居を見ているとあの告白を聞いた者だけが、観客も含め、エリオの死の真相を知ってる気になります。しかし実際は私達もエバ同様何故エリオざ死んだか解る事は永遠に無いのです。
「グラン・エリオ 永遠に眠れ」




永久輝せあ リカルド・ロメロ
「エリオの恋がたき」だけでは無い存在感がありました。
実業家でエバの恋人(と聞こえました)

エバに結婚を申し込む場面
「※※※と紹介するのも飽きた」かな。
当時そういう事が社会的に許されていたのが分かりませんが、あの場面を挟む事でリカルドの本気度が現代の観客に伝わって来ます。
でも愛してるとは言わない。

そして直ぐにフェリーペにコルドバへ行くように伝えます。
実業家は抜かりありません。
愛する男の予感?

闘牛場での場面
エバの友人に酷い事言いますね。
「おまえ達のような者は友人でなければ同じ穴のムジナ」みたいな
それって自分の恋人も貶める発言ですよね。
直前の友人の言動は「同じ穴のムジナ」的なものは感じられなくて、なのでこれはリカルドの一方的な思い込みです
嫉妬に駆られたのか、プライドを傷つけられた為かエバの頬を打つリカルド

女性にはそんな態度を取る割には、恋がたきのエリオにはあくまでも紳士的で自分の優位性を崩しません。
実業家で地元の名士で人生の成功者のリカルドは、恋がたきに自分の嫉妬の感情をぶつけはしない。
その代わり自分の所有物と思っている女を打つことに躊躇はありません。
むしろそんな女の存在があるからこそ恋がたきにさえ冷静かつ度量のが大きい自分を演じる事ができる、そんなリカルドに見えました。

そして決闘
エリオとエバは絶対に結ばれる事はできないと言う母親たちにリカルドは苛立ちを爆発させます。
この時のひとこちゃんの台詞が良いんです。
ちょっと惚れちゃいそうでした。
いや、惚れないけどね。
咄嗟にリカルド自身にもエリオやビセントのような恋物語があったんだろうと感じました。
恋でなくても何がしらの「物語」がね。
知りたいと思った貴女、それは恋ですよ。

そして真実が明らかになった後、エリオに掛ける言葉にはリカルドの誠実な気持ちがありました。
同情では無く本当にそう思っていたのでしょう。
でもその思いはエリオには届かなかった。

ひとこちゃんは陰陽でいうと「陽」だと思いますが、舞台では剣心の陰や沖田総司やヨリトモなど陰のある役の評価が高い
今回はそれに傲慢さが加わりました。
ひとこリカルドは人間臭いリカルドでした。
ドコカデマタミタイネリカルドデナク


あすかビセントの事も書きたいがもう寝なきゃ
おやすみ皆様



にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村