宙組 全ツ「バロンの末裔」①
公演の概要が出た時には、何となく若い頃成就出来なかった男女の恋愛話、不倫までは行かないけど、まあそれに近い話かなと予想。
焼けぼっくいに火がついたみたいな。
悲劇的にも出来るなと。
しかし、パンフレットにもありましたがウェルメイドなものに仕上がっていました。
シアターリーグのサイト
http://www.moon-light.ne.jp/termi-nology/meaning/well-made-play.htm
昔、映画やドラマでは良く使われていました。
ウェルメイド
良くできたドラマ
でも100%褒め言葉では無い。
正塚さんは「物語の展開を楽しむような、論理的な印象の演劇」を目指したのかな?
「雉撃ちの丘」のやり取りでキャサリン潤花が「地獄だわ」と嘆きながらもリチャード真風に決断を迫りますが、エドワード真風はお互い愛し合っていることを認めながらも兄を裏切る決断はしません。
キャサリンよ、
「あの時」決断しない者は「今」決断する事は無いんだ。
兄ローレンスを捨てる事は、倫理的にも社会的にも自身の居場所を失う事に直結する。
それはキャサリン潤花も同じ事。
二度と貴族社会には戻れない。
「私は誰かと結婚しなければいけないのよ」
女にとって切実な叫び。
18世紀から始まった産業革命、石炭によるエネルギー革命、そして社会構造の変革による中産階級の台頭、それに伴う貴族階級の相対的な地位の低下、もしくは没落
過ぎた時代のありふれた物語
誰かがエドワードで誰かがキャサリンだったかも
誰かがあなたで誰かが私
兄ローレンスを騙した二人も結果お咎めなし、病気で死ぬ人や決闘で死ぬ人もいない。
ホテルのお披露目ではリチャード桜木は非難していた頭取をウィリアムと呼びます。
ウィリアムの父親りんきらも気持ち良く泥酔。
ヘレン山吹はオーナー夫人?支配人夫人?
屋敷の使用人達は仕事を失う事は無く、小作人達も今まで通り。
大団円に向かって進んで行く物語を、音楽に乗って楽しむ事ができました。
あの早変わりも、お芝居が終わった途端に、娘とああでもないこうでもないと、喧々諤々。
一体どうなってるの?
2回目はベットの所をガン見してたがハッキリとはわからず。
久世さんの退団公演との事ですが、そうでなくても観客は劇場へリピートしそうな作品。
物語の展開や高橋さんの楽曲、そして私にとっては始めましての宙組のタカラジェンヌ達、
色々な楽しみを見つけられたお芝居でした。
お読み頂きありがとうございました。
にほんブログ村