すみれの散歩道

心惹かれる宝塚や映画などについて綴ります

スカイステージ星組『The Lost Glory -美しき幻影-』2014年

良い日がつづきますように

梅田のホテルではスカイステージには大変お世話になりました。
こちらは大好きな轟さんご出演の星組作品です。

植田景子さんの作・演出
今まで避けていた演出家でしたがこれが非常に面白かった。
8年前の作品、それも良かったかも。
シェークスピアの『オセロー』が元ネタ、でもそのまんまでない所が良かった。

オセロー  ⇒轟悠
デズデモーナ⇒夢咲ねね
イヤーゴー ⇒柚希礼音
キャシオー ⇒真風涼帆
そのほかにも
夢咲さんの元恋人に紅ゆずる
証券市場に詳しい街の少年に礼真琴
田舎から出て来たばかりの女の子に綺咲愛里
轟さんの建築設計会社の社員に瀬尾ゆりあ
轟さんの恩人で取引先の富豪に十輝いりす

今となっては豪華キャストで星組さんとはご縁の薄い私でもお得感があります。

まず衣装が豪華、特にトップ娘役夢咲ねねさんが着ている衣装が素晴らしい。
あれもアルマーニなの?
ゴールドのウエディングドレスを上品に着こなせるのはタカラジェンヌだけかも。
むかし板東玉三郎のデズデモーナをテレビで見て、あれも衣装が素敵でしたが、貞淑と人妻と美しさが一緒になったら禍いを招いてしまうのかと思ったが、夢咲さんにもリアルな色気を感じました。
ちえさんとのタンゴも見応えあり。赤い衣装に黒いストッキング、これは紅さんの妄想(だったはず)
歌がすごくよかった。


真風がちょっと女性にだらしない御曹司役で、彼のせいで会社の評判が落ち、彼のおかげで危機を脱するという美味しい役。
真ん中分けのヘアスタイルが可愛く、スタイリッシュで生まれながらの王子様。
現在の真風さんの青年時代を見ているような。
綺咲さんと良い感じになりそうだけど、その前に彼女は田舎に帰ってしまう。
恋が始まる前の微妙な距離感、空気感。
女性の作家だからこそなのか。


対する紅さんが今まで見たことが無い紅さん。顔も別人の様でした。
やっぱり芝居の人。
昔の恋人に執着するあまり、イヤーゴー的柚希礼音さんの悪巧みにはまってしまいます。
決して宝塚的かっこいい役では無いけど、最後の悔しさに満ちた表情が印象的。
衣装がとっても似合っていた。


礼さんが少年でいつでも舞台のセンターで歌っていた。
力強く伸びやかな歌声、耳福というやつですね。

十輝さんは貫禄があって瀬尾さんは美しかった。
紫藤りゅうもどこかで見たけどどこで見たか覚えてない。残念。


元ネタではイアーゴーの同性愛的な部分も感じられ、この作品もそれを引き継いでいると思うので、それなら最後はやはりちえさんは轟さんに抱かれて死にゆくべきだと思います。
そして芝居の前半で夢咲さんが嫉妬する位の仲の良さを二人の男役に演じさせても良かったし、私は轟さんが好きだけど最後の場面は蛇足に感じました。
舞台上で柚希さんはずっとひとりで奸計を巡らせているんだけど、二人の出自には相通じるものがあるからこそちえさんは裏切られたと感じた、轟さんとの絡みをもっと見せた方が最後の悲劇が効いてくるんじゃないかな。(すいません、役名が覚えていないので)


あと舞台装置にペットボトルが使われていたが、これは証券市場が虚業のようなものと言っているのか、それとも高層ビルの建設がバビロンの塔のようなものと言っているのか。
いずれにしてもあまり効果的では無かったかな。


 




お読み頂きありがとうございました。
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